2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

明確な自己規定は、自己解放への契機を内包

「写真は見えないものに向かって行く」を、今日の帰りの電車の中で、前に見たのとは違ったデザインのもので見た。それを見ながら、写真だけじゃないよな、と思った。 「概念」というのも、社会には既に存在しているけれど、目に見えないことがらを可視的にす…

当事者と当事者性

「その事柄に当事者性を自分も持ちたい、というか持つように自分を動かすものは何でしょうね。その切実さってどこから来るものなんでしょうか。想像力の質と認識の質の問題? その質の転換を促すものって何?」 昨日の日記の最後はこうだった。 ある状況にあ…

当事者性を獲得するには

今いちばん手元の近い所にあって、読んでいるのが「全身当事者主義」。前にも書いたように、格差の最先端の体験と時代の質感のリアルな抽出で、いろんなことを考えさせられるんだけど、その本の中で私が一番強い印象を受けたのは次の文章。 「自分が何を思お…

文学に興味が無いなんて

「世界文学のスーパースター 夏目漱石」を買ったのは、漱石の魅力を語るその新鮮さだった(ほとんど漱石を読んだことがないのに何故そう言えるのかと、突っ込まれると困るけど。だけどなんだか清々しく真っ直ぐな印象だった)。 もう一つは文学への思いを語…

橋本治は楽しい、の続き

前の「橋本治は楽しい」の最後で、「そして最後の‘次に生まれたら、わ〜いと叫びながら飛んで、壁にぶつかって死ぬコガネムシのような一生がいい’というのも、人間の、というか生物の真実の姿の描写のような気がする。」と書いた後に池田晶子さんの引用を持…

金もうけは下手だけど立派な人

「あの人は、金もうけは下手だけど立派な人」という言い方が普通の感覚で言えてたと、TVの「あの人に会いたい」というミニインタビュー番組(アーカイブス番組)で阿久悠さんが話してた。バブルがはじける前の、バブルの時代風潮に反発しての発言だったよ…

世界を変えるのはむつかしい、気分を変えるのはかんたん。

世界を変えるのはむつかしい、気分を変えるのはかんたん。 喫茶店の前に出ていた看板。自分をと言わずに気分とあるのがライトな感じだね。 どれを世の中というのか、そして自分をどうイメージするのか。自分の夢を大きく描くことで、かえって今の自分との梯…

写真は見えないものに向かってゆく

電車の中の広告(スイス・USBのアートコレクション展)にこんなものがあった。「写真は見えないものに向かってゆく」(畠山直哉) 写真に写る以上、それは光があり見えているから写真として定着されたんでしょ、と思うのが普通。だから読んでチョットあれ…

橋本治は楽しい

昨日の続きのようになってしまうけれど、「小林秀雄の恵み」の中の「肝要なのは、物のあわれがただ《人の情の、事にふれて感く》ということだけである。『本居宣長』の(14)で、小林秀雄はこの後に、全的な認識という言葉を持ち出して来るが、それは、彼が…

漱石ってすごいかも

以前、姜尚中(カンサンジュン)さんが、TVで夏目漱石の小説について話しているのを、たまたま見て、漱石って自分が思っている作家とは違うのかも知れない、と感じた。 それまでどう感じていたのかしら。 「我輩は・・・」のユーモア小説家、「坊っちゃん…