大切な友人が亡くなった

昨日は日曜日だったので、一日ぼんやりしていても差し障りはなかった。今日は、仕事をしながら、ふと意識がどこかへいってしまう感じと、目がなんだか充血して目の周りが暖ったかい感じが時々していた。膝はまだ少し痛いんだけど、それも何だか自分の足の痛みではないような感覚を感じていた。
土曜の夜、友人が亡くなったのです。
年齢は私よりすこし若いけど、大学は同じ時期だったのです。私は新聞奨学生で、彼は2部の学生だった。文学部だったと思うけど、経済のゼミも一生懸命勉強していた。
知り合ったきっかけは、はっきり覚えていないのだけれど、共通の友人を介してだったような気がします。アパートが同じ最寄り駅だったこともあり、お互いへ遊びに行って酒を飲みながらいろんな話をした。
彼の部屋には、自作の、ツイターを一台に2個組み込んだスピカーがあり、最初に聞かせてもらったのが、アイザック・スターンのメンデルスゾーン・ヴァイオリン協奏曲だった。弦を擦る音が生々しく、ヴァイオリンの音が胴の中で響く音色に魅かれました。
中学の時に、いつも3人で遊んでいた友人のそれぞれも、ステレオを持っていて、いろいろ聞かせてくれたけれど、オーディオ的な刺激というものを強烈に感じたのは、そのヴァイオリン協奏曲が最初だった。
ここ4年ほどは、私が引っ越したことなどもあって、年賀状だけのやりとりになっていた。お互い「また、飲みましょう」は、儀礼だけの気持ちではなかったのだけれど。
数年前に膠原病と診断され、そのうちレントゲンに影がでるようになり、進行して肝臓癌になってしまったということです。抗癌剤で様々な副作用に苦しんだようです。それもあり、病気のことは家族以外には告げなかったと言われました。
最後はホスピスで療養し、一時体調がよい時に自宅へ戻り、今後のことなど、心残りのないようにと精一杯のことはした、とお聞きしました。
私よりタフな感じがしていましたので、訃報を聞いたときは、なぜ・まさか・まさか・・・という思いでいっぱいでした。もともと理工系の学部からの転部だったので、素養を活かしてコンピュータのプログラムの仕事をここ15年くらいはしていた。自分の能力を活かした仕事を続けたことや、家族を持ち、子どもたちも就職しているとのこと・・・まだまだやりたいことはいっぱいあったと思うけど、立派な人生だったと思う。ご冥福をお祈りします。