マンゼの「ロザリオのソナタ」

musicauac2008-06-06

4日の日記はあの後に、ロザリオのソナタのCDについての文章を書くつもりでしたが、時間がなくなってしまい、あそこで終わりました。そこで今日はそこのあたりを。
以前レコードで聞いていたときは、2枚組みのものだった思うのですが、演奏者もレーベルも確かな記憶がありません。よく聴いていたのですが、う〜ん、どうしたんでしょう。メルクスの演奏ような気もするし・・・。 でも?ですね。それと無伴奏にちかい演奏だったような気もするのですが、あやふやです。自分の気持ちとしては、伴奏があるよりは、無伴奏のものを聴いてみたいという気がしています。曲の良さに浸るには、その方がいいような気がしますので。(オリジナルの楽器編成がどうなっているのか分かりませんが、通奏低音抜きの無伴奏っていうのはありえないですかねぇ)
今、手元にあるのは (1)4日に写真を載せたアリス・ピエロのアルファ盤 (2)アンドルー・マンゼのハルモニアムンディ盤 (3)ヴァルター・レイターのブリリアント盤 の三種類です。
(3)が、わりと最近買ったものです。ブリリアントレーベルは、その驚きの安い価格からは考えられないクリアーで鮮度の高い音だ、ということは分かっていましたから、試しに購入したものです。ハープシコード、テオルボ、ビオラ・ダ・ガンバなどが通奏低音部を受け持っていますが、あくまでバイオリンが中心だ、という演奏です。ゆったりなところは優雅さもあり、劇的な箇所では激しさもある、メリハリの効いた演奏です。全体としては、宗教性云々より、きれいな旋律のバイオリンの曲集、という印象です。
(1)はアルファレーベルのCDをかなり真剣に集めていた時に買ったものです。このアルファレーベルは、びっくりするくらい音がいいのです。これを聴くと、ブリリアントレーベルの音が平板に聴こえるのです。録音の品位がまるで違うのです。(ブリリアントさん、こんな言い方してごめんなさいね。価格が違いますものねぇ)アストレの録音より艶めかしいかもしれない。
先ほど、(3)のところで、バイオリンが中心だ、という演奏ですと書いたのですが、このアルファ盤の演奏は、バイオリンだけが突出して聴こえるということはないのです。テオルボやビオラ・ダ・ガンバなどとのバランスが良く、それぞれの定位が明確、かつリアルで、そのうえバイオリンが演奏する旋律が埋もれて聴こえにくいということはないのです。録音の鮮度が飛びぬけて良い為か?全体に明るい曲調に聴こえます。そこが唯一の欠点?(宗教曲だからといって、しんねりむっつり、していなけば・・・ということはありませんからねぇ)でしょうか。でも聴いていて、いい曲だなぁ、と思います。古楽器の音色も充分楽しめますし。
(2)のマンゼは、バイオリンとオルガンまたはハープシコードというシンプルなものですが、(1)の後では重厚と言ってもいいほどの渋い演奏に聴こえます。それと4日の日記での「受胎告知」の3つの段階をふまえて、1曲目の「マリアへの受胎告知」を聴くと、まさにその3つの段階を演奏で描写されているのではないか、と思ってしまいます。曲集そのものを深く味わおうとするなら、マンゼのこれでしょうね。ただ、ジャケットは?ですよね。聖なる智恵の色の青を背景に、マリア様のバラですか? (1)のジャケットを先日載せたので、今日のところへ、マンゼの演奏に拍手を送りながら、そのジャケットの写真を。